だいぶご無沙汰な気がするけど、今回は真・女神転生3の種族、鬼神について紹介しようと思う。
鬼神とは?
名前は聞いたことはあるけど「鬼神」って何?「きしん」「きじん」「おにがみ」って読み方がちがうけど何か違いがあるの?って話だけどちょっと違うっぽいんだよね。
きしん
天地万物の霊魂で死者の霊魂と天地の神霊のことを言うらしい。
きじん
超人的な存在。
人間離れした存在を指すっぽい。
おにがみ
恐ろしく荒々しい神のことをいい、人間にはその姿は見えず、聞こえないような存在。
共通していること
読み方が違うけどいずれも共通していることは以下より。
- 神の中でも荒々しい神
- 天地万物の霊魂
- 超人的な存在
色々調べてもごちゃごちゃになりそうだったから、とりあえずこの3つを覚えておけばOK。
中国における対照的な霊のこと
中国では2つの対照的な霊、鬼と神のことを指し以下の意味がある。
- 鬼(き)は生者に禍をもたらす霊
- 神(しん)は生者に福をもたらす霊
鬼は亡霊のことを指し、死後、祀られなかった場合は幽鬼として生者に祟る霊。
対する神は生者が持つ魂の死後の姿で、その魂は天上に昇り神霊となると言われる。
仏教では
超人的な存在も鬼神と言うらしいけど、護法(仏の教えを守ること)から悪いことをする存在も鬼神とされているようだ。
また、鬼がつくだけあって凶暴、荒々しい存在の呼称としても言われる。
真・女神転生では・・・
これから紹介するけどメガテン3では鬼神は主に仏教の神などを中心の鬼神が目立つ。
どっちかと言うとこのゲームでは荒々しい存在のとこを指すのかもしれない。
というわけで次から本題に入ります。
タケミナカタ
古事記に登場する神でここでは建御名方神(たけみなかたのかみ)と呼ばれる。
実はこの後紹介するオオクニヌシ(オオクニヌシノカミ)の子供。
武神として崇められているけど実際はそこまで強くなく、国譲りの際にタケミカヅチノカミと力比べをして敗れたのち信濃(しなの)今の長野県の諏訪湖に逃げ、この地から出ないと誓った諏訪大社の祭神でもある。
この力比べはのちに相撲のルーツにもなっている。
腕がないのは・・・
メガテン3では腕がないデザインだけど、これは先ほど説明したタケミカヅチノカミと戦った伝説からきている。
力比べの際にタケミナカタの腕が氷の剣になった時に、タケミカヅチノカミはそれを握り潰して放り投げた話から来ているものと思う。
ゾウチョウテン
仏教の守護神で漢字で「増長天」と書く。
四天王(ジゴクテン、コウモクテン、ビシャモンテン)の1人で南方を守護している。
仏教の世界では中央に須弥山(しゅみせん)という山が存在し、山の周りに人が住み、その外には地獄が存在すると言われている。
その南方の世界を守護するのがこの増長天。
名前の由来はサンスクリット語(日本では梵語、古代インドの語源のこと) でヴィルーダカと呼ばれ「成長、増大する」といった意味がある。
穀物を豊かにする武闘派
別名、毘桜勒叉(びるろくしゃ)とも呼ばれ、発芽し始めた穀物や成長する者という意味があり、五穀豊穣を司り、成長力で仏教を守護する力がある。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)とは穀物など農作物が豊作になることを指している。
ココがポイント
ゾウチョウテンは穀物を豊かにするから人々から崇められているようだね
その一方で外見は武人のような姿で一般的には赤い甲冑に右手に剣を持ち左手は腰に当て、憤怒の顔をした姿をしている。
怖そうな外見だけど意外といい神かもしれない。
コウモクテン
仏教の守護神で漢字で「広目天」と書く。
増長天と同じく四天王の一人で西方の世界を守護する。
名前の由来はサンスクリット語でヴィルーパークシャと言い、「様々な眼を持つもの、種々の眼をした者」といった意味がある。
このことから千里眼、千里を見通す眼力を持つといった解釈がされ、広目、毘楼博叉天(びるばくしゃてん)とも呼ばれている。
知的なイケメン
元々はインド神話の雷神インドラの配下にいた神で後に仏教に守護神として取り入れられた。
外見は右手に筆、左手に巻(お経が書かれた巻物)と他の四天王と違ってちょっと特殊なアイテムを持っている。
これはコウモクテンの特徴でもある千里眼でこの世のあらゆるものを記録するためらしい。
ちなみにコウモクテンを調べていると「イケメン」と検索ワードによく出てくるけど、仏像好きの人からは結構人気のある神でもある。
オオクニヌシ
日本神話に登場する神で漢字で「大国主」と書く。
須佐之男命(スサノオノミコト)の子孫でもあり、日本国を創った神とされている。
多くの別名があるオオクニヌシだけどその中の一つ大国主神(おおくにぬしのかみ)は根の国(日本神話に登場する異世界のようなもの)から帰ってきてからの名前からきている。
また因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)を助けたのもこのオオクニヌシ。
ざっくり説明すると隠岐国から因幡国へ行きたいうさぎがワニ(サメ)をだまして向こう岸まで行こうとしたけど、あと少しの所でばれて皮を剥された所にオオクニヌシが現れ「真水で体を洗い、蒲(がま)の穂綿に包まれば治る」と教わりその通りにすると体から毛が生え傷も治り元のうさぎの姿になるエピソード。
出雲大社との関係
縁結びとして知られる出雲大社。
スサノオから数々の試練が与え見事クリアし、、須佐之男命の娘須勢理毘売命(スセリヒメノミコト)と婚姻し2人で協力し出雲に国を築いたと言われる。
この時、天照大神(アマテラスオオミカミ)に国譲りをした際に隠遁する場として建てられた建物がこの出雲大社。
タケミカヅチ
日本神話に登場する神で漢字で「建御雷神(タケミカヅチノオ)」と書き、雷の神のこと。
生まれた経緯がちょっと特殊で、伊邪那岐命(イザナギ)が迦具土神(カグツチノカミ)を天之尾羽張(アメノオハバリ)とよばれる剣で切った際に飛び散った血から生まれたのがこのタケミカヅチ。
十拳剣
最初に紹介したタケミナカタを投げ飛ばしたエピソードは説明した通りだけど、この神には剣の神としての顔も持ってる。
メガテン3でも右手に持っている剣は十拳剣(とつかのつるぎ)。
この剣は日本神話で度々登場する神剣だけど一つの名前ではなくいわゆる総称。
タケミカヅチが生まれたきっかけでもあるイザナギが持っていた剣、天之尾羽張(アメノオハバリ)も十拳剣の一種である。
有名な十拳剣では天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)もあるけど、これはスサノオがヤマタノオロチを退治する際に使用した剣でその後、ヤマトタケルの手に渡り草薙剣(クサナギノツルギ)と改名される。
三種の神器の一つとしても有名な剣でもある。
ジコクテン
仏教の守護神で漢字で「持国天」と書く。
ゾウチョウテン、コウモクテンと同じく四天王の一人で東方の世界を守護する神。
名前の由来はサンスクリット語で「ドリタラーシュトラ」と呼ばれ、「国を支えるもの」の意味がある。
その名の通り国を支える意味から仏教世界を守る役割があり、別名、提頭頼吒(だいずらた)とも呼ばれる。
人々を邪鬼から守るガードマン
ジゴクテンの右手には宝珠(ほうしゅ)を持っているが(メガテン3では剣だけど)これは願い事をかなえてくれる力があり水をきれいにしたりする力がある。
またジゴクテンの仏像の足元に邪鬼を踏む姿が多い。
これは邪鬼の存在が祟り、仏法を犯す邪神のことから、煩悩の象徴とも言われ、ジゴクテンが人々の邪鬼を退治する意味がある。
ココがポイント
なお、このジゴクテンに限らず四天王の仏像の多くは邪鬼を踏んでいる姿が多い。
フトミミ
フトミミについては以前マネカタについての考察記事を書いたからそっちを詳しく読んでほしい。
簡単に説明するとマネカタたちを束ねるリーダー的な存在。
自分たちもコトワリを築いてマネカタたちが住みやすい世界を望んでいる心優しいマネカタ。
ここまで聞くといいヤツと思うけど生前のマネカタは結構悪いヤツ、サカハギといい勝負かもしれないぐらいの人間だったらしい。
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【真女神転生3】マネカタ考察
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ビシャモンテン
仏教の守護神で漢字で「毘沙門天」と書く。
ゾウチョウテン、コウモクテン、ジコクテンと同じく四天王の一人で北方の世界を守護する神。
名前の由来はサンスクリット語で「ヴァイシュラヴァナ」と呼ばれ、「ヴィシュラヴァスの子」の意味がある。
ヴィシュラヴァスとはインド神話の富と財宝の神クベーラのことを指す。
日本ではビシャモンテンのことを七福神のことを指すケースが多いけど、そのモデルになったのがこのクベーラ。
また中国では多聞天(「よく聞く、聞きもらさない」の意味)と呼ばれ、日本では多聞天以外にも毘沙門天と呼ばれたりと地域によって様々な呼び名がある。
他の四天王と比べてちょっと特殊な存在でもあるようだね。
姿形が特定しない財宝の神
クベーラが富と財宝の神ということもあり、ビシャモンテンも金運、開運、商売繁盛といったお金にまつわるご利益が多いのが特徴。
日本の仏像ではおっかない顔で宝棒(ほうぼう)や仏舎利(ぶっしゃり)が納められた入れ物の宝塔(ほうとう)を持っているけどそれぞれ手に持っているアイテムの簡単な解説が以下より。
- 宝棒・・・主に右手に持っていて食料など富が無限に出てくる棒
- 宝塔・・・主に左手に持っていて仏舎利(釈迦の遺骨)宝塔の中に経典が納められている
ただ、ビシャモンテンが持っている武器は地域によってバラバラで三叉槍(さんさそう)を持っていたり中国では傘を持っていたり千差万別。
といったようにハッキリした姿、アイテムを持っていないのがビシャモンテンの特徴でもあるけど、他の四天王とちょっと違う立ち位置なのがビシャモンテンの魅力なのかもしれない。
トール
今まで日本の神話に関する情報だったのに急に北欧神話に登場する神、トールの紹介。
父がオーディン、母はヨルガの家系に生まれ外見は赤髪の大男の姿で描かれている。
実は既婚者で妻シブがいる。
アース神族最強の戦士
メガテン3でも描かれている彼が持っているハンマーは「ミョルニル」。
「打ち砕く」の意味を持つこのハンマーは破壊力抜群で敵を倒す以外にも投げれば手元に返ってくるし、サイズも伸縮自在で持ち運びも便利になったりと武器の中でもかなり優秀。
ただこれを扱うにはヤールングレイプルという鉄製の手袋が必要らしいの扱い注意。
トールの最後はラグナロクでヨルムンガンドと呼ばれる蛇と死闘を繰り広げ勝利するが、その毒によって自身も命を落とす。
ちなみにトールは雷神、農耕神としてゲルマン地域で広く信仰されている。